膜貫通領域への作用を狙ったペプチド薬剤2007-05-06 Sun 23:02
Science March 30, 2007, Vol.315
膜貫通領域をターゲティングする(Targeting Transmembrane Domains) 特異的なタンパク質を標的とする抗体のような試薬は、研究面や医学面で有用である。 タンパク質の可溶領域を標的とする抗体様の分子を設計する方法はあるが、 膜貫通領域をターゲティングすることは困難である。 Yinたち(p.1817)は、 特異的な膜貫通らせん体を標的とするペプチドを設計する計算的手法を述べている。 ペプチドは、細胞接着に関与する二つの密に関連したインテグリンの各々に対して特異的であるように設計された。(KU) Computational Design of Peptides That Target Transmembrane Helices p. 1817-1822. |
人工酵素 イソプレン合成酵素2007-05-06 Sun 19:56
酵素は、生体内で起きる反応を触媒(手助け)します。
とても 厳密に反応を触媒します。すなわち、特有の反応物を認識して、特有の生成物を与えます。 化学者が 酵素と同様の反応を、酵素を使わずにフラスコで再現することは 非常に非常に難しいです。 酵素は まるで 化学反応の神様です。 その酵素を 人工的に作る という仕事です。 Science April 6, 2007, Vol.316 イソプレノイドの合成酵素を作る(Engineering Isoprenoid Builders) 天然有機物の多様なファミリーであるイソプレノイドは、イソプレン単位(C5-)から4つのカップリング反応により作られる。 鎖の伸張とシクロプロパン環化反応を触媒する酵素は同定されているが、しかし枝分かれとシクロブタン環化反応を触媒する酵素は同定されていない。 Thulasiranたち(p.73;Christiansonによる展望記事参照)は、 化学的に作られた酵素 が4つの反応総てを触媒することを示している。 これらの酵素は鎖の伸張酵素とシクロプロパン環化反応酵素のキメラ化合物である。 生成物は天然のものと同じ立体構造を示し、このことは、4つの反応を触媒する酵素が共通の祖先から進化したものであることを示唆している。(KU) Chimeras of Two Isoprenoid Synthases Catalyze All Four Coupling Reactions in Isoprenoid Biosynthesis p. 73-76. CHEMISTRY: Roots of Biosynthetic Diversity p. 60-61. |
塩基性(アルカリ性)の中の酸2007-05-06 Sun 19:48
液体のpHを計ることで、液性を知ります。液体全体が塩基性(アルカリ性)だ 判断します。
塩基性の中に、酸性を作ることができたら すごい と思いませんか? かご を化学的に合成して、その中のみが 酸性になるように 仕向けた研究です。 かご の外は、塩基性です。 Science April 6, 2007, Vol.316 からです 塩基の中の酸の居留地(Acid Buried in Base) 化学者は、しばしば媒体の温度やpHを操作し反応条件を調整する。 これと対照的に、酵素はその環境条件を全体的には変えることができないため、 個々の合体した基質の分子環境を調整することができる空洞を利用する。 Pluth たち(p. 85) はこの戦略を真似、合成した籠(ケージ)様クラスターを使って、これがリガンドと金属イオンから溶液中で自己集積する性質を利用した。 このクラスター内の静電環境がカチオンを安定化し、ゲスト分子のプロトン化に有利に働く。 このケージは塩基性溶液中で酸性の居留地(enclave)のように振る舞い、周囲の塩基性媒体中で、酸触媒によるオルト蟻酸エステルの加水分解に利用される。(Ej,hE) Acid Catalysis in Basic Solution: A Supramolecular Host Promotes Orthoformate Hydrolysis p. 85-88. |
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